37年前の作品だが、書く前に、わたしは3つのことを決めていた。
1:「限りなく透明に近いブルー」とはまったく違う内容のものを書く。
2:それは「寓話」となる。
3:「前衛的で売れない」小説を書く。
その3つはだいたい達成された。
だが、「海の向こうの」戦争は、37年前の「想像」と違って、今や現実となってしまった。この小説の「想像で構築された世界」は、さらにリアリティをもって読者の脳裏に刻まれると思う。電子版表紙では、静かな海と、悪夢のような戦争、2つのイメージをダイレクトに組み合わせた。
村上龍 (2014年)