◆ 内部被曝通信 福島・浜通りから ◆

《66》 質問「放射線をあてたジャガイモで被曝するの?」 2013年6月10日

先日、相馬高校の一年生に対して、放射線についての講義を行う機会がありました。学年主任の小野田先生のご尽力によるものです。

放射線や放射能についての基礎知識が3分の1、今までに行われた検査とその結果について、を3分の1、残りにその被曝量を下げるためには何に気をつけるべきかを話しています。別の高校での経験もあったため、できるだけ、放射線とは?という基礎の部分に時間をかけるようにしています(参照 第46回「真剣に受け止める高校生」、第60回「まず大人が放射線の基礎的理解を」)。

1時間ほどお話しして、その後20~30分ほど質問を受けました。子供達は剣道場にぎゅうぎゅうになって座りながら、真剣に聞いてくれていました。質問も多かったです。

数日後、そのアンケート結果を拝見しました。自由記述で「今回の感想を書いてください」というものです。100枚以上のアンケート用紙を見て、約半分の生徒達が書いていることがありました。

「ジャガイモへ放射線をあてることにビックリした」というものでした。発芽を防ぐために行われる放射線処理のことです。実は、最初の生徒からの質問は「放射線をあてたジャガイモを食べたら、どれくらい私は被曝するのですか?」だったのです。

もちろん放射線と放射性物質は違います。放射線をあてたからと言って、浴びたものに触れたり、食べたりして放射線がうつるとか、そういう話ではありません。

中学生のための放射線副読本~知ることから始めよう放射線のいろいろなどにあるような文部科学省が作成した、放射線等に関する副読本に載っているような、スイセンの話やレントゲンの話もします。ただ、レントゲンを見せて、生徒達にこれは外部被曝ですか?内部被曝ですか?と聞くと、外部被曝と手を挙げる生徒は半分ぐらいでした。

ただ、知識が無い無いと言いたいわけではありません。でも、やはり基本的なことに立ち返って、一つひとつ分かってもらうことの大切さを感じます。実は彼らに話をするのは2回目でした。彼らが中学3年生であった去年の冬、同じ話をしていました。ただ、私の喋りが悪かっただけかもしれません。

マンパワーが足りているわけでもないですし、カリキュラムが無限に組めるわけでもないのですが、繰り返し、繰り返し伝えていくことで少しずつ進んで行くしかありません。まずは、外部被曝と内部被曝の違い、放射線と放射性物質の違い。これだけでもいいと思います。継続した検査の結果と、しっかり他人に伝えることが出来るぐらいの放射線に対する知識は、放射線から子供達を強く守ってくれるはずです。

「こんなことは分かりきっている」「こういうことを知って欲しいのはもっと福島県外の人に」だ、という意見も散見されました。医者の私が口を出すことではないかもしれません。ただ、出来る範囲で子供達に伝えていくお手伝いはしたいと思っています。

授業も大事ですが、社会科見学も生徒の理解を促す非常に重要な機会です。
次回は水道局の話を交えてお伝えします。



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