◆ 内部被曝通信 福島・浜通りから ◆

《61》 定期的な小中学生への内部被曝の検査 2013年5月7日

このブログでも、内部被曝検査にいらっしゃる方の数が減ってきていることをお伝えしました。(第45回参照)。
検査を始めた2011年7月当初は、次の年の春まで検査待ちになるような状況でしたが、この年度末には1日に10人程度しかいらっしゃらない日も珍しくありません。検査数だけで言うと、2012年度の下半期は、上半期の1/3~半分程度の状況です。

もう低いことはわかっているので(これ以上やらなくて)よいでしょうという意見や、足らないリソースやマンパワーをもう少し他のものに回すべきであるという話もよくお聞きします。医療資源が枯渇し、実際に働くスタッフの疲弊も大きな課題である現在、一理あるとは思います。

しかし、継続的な検査は必要だと思っています。今後何かしらどこかで生物学的に濃縮してくる可能性はあると思いますし、内部被曝自体、生活習慣や経済社会的影響も大きく受けます。

ベラルーシでも問題となっていた風化や検査への慣れに対する対策はいくつかありました。(第56回第57回参照)
健診への取り入れや、外来受診時に気軽に測れる体制の構築といった、何かのきっかけと一緒に測る工夫です。検査器自体が、地域の医療や健康と住民の方々を結ぶコミュニケーションの装置としても機能しているような側面がありました。

南相馬でも似たような取り組みが始まります。学校検診化です。南相馬市ではこの5月から、学校検診としての内部被曝検査が始まります。

南相馬市内の全ての小中学生を対象に、定期的にホールボディーカウンターによるチェックを行うというものです。移動式の器械は無いので、学校の学年単位で小中学校からバスで病院まで来てもらって午前中まとめて一斉に検査をするというものです。この5月から3カ月ほどで全地域の検査を行い、それを年に2回繰り返すという形です。

継続的にチェックを行うことができること、検査漏れの確率が下がること、平日に親御さんが仕事を休んで連れてくる必要がなくなること、いつ検査を受けたのかなどを常に考える手間を省けることなどの利点があります。

もちろんどのような検査にもメリット、デメリットが存在し、検査自体の限界や全てをカバーできるわけではありません。いつまで続くのか等の課題も残っています。まだまだ多くが試行錯誤です。

しかしながら、多くの方々がみんなで考えることが出来たから今回のことは実現したのだと思います。声を上げてくださった子供を持つ多くの親御さんたち、小中学校の保健体育を始めとする多くの先生、そして行政として検査をやろうと各部署を回り、話をして回った市役所職員の皆さん、実際の運営にあたり細かい打ち合わせや調整を行ってくださった市立病院や渡辺病院のスタッフ、全員の尽力があったからこそです。

「xxxがやってくれるはず」「xxxがやるべきだ」「私の仕事ではない」。そう言っている限り動きません。人間同士が仕事をやっている以上、なかなか一筋縄ではない問題だと思いますが、それを一つずつ超えていくしかありません。



そろそろ野馬追の準備も始まっているようです。

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