◆ 内部被曝通信 福島・浜通りから ◆

《117》 子どもたちへの検査結果がまとまりました 2014年6月17日

三春町では2011年から毎年、6-15歳の小児を対象としたホールボディーカウンターによる内部被曝検査をひらた中央病院で行っています。検査結果は随時公表していますが、今回、三春町での3年間の検査結果が日本学士院紀要に掲載されましたのでご報告いたします。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjab/90/6/90_211/_article

更衣をせずに検査していた事故初期には、一部の小児からセシウムの検出を認めたものの、2012年、2013年にはどの小児からもセシウムを検出しませんでした。多くの方が地元の食材を摂取している状況で得られた検査結果であり、現在の流通食品の安全性と、日常生活で大きな内部被曝をする状況ではないということを強く示唆する結果でした。

2011年の秋から冬にかけて行った最初の検査では、1494人(全対象者の94.3%)のうち54人で検出限界を超えるセシウム137を検出。2012年、2013年秋に行った2、3回目の検査では、それぞれ1383人(同95.0%)、1338人(同93.4%)が検査を受けましたが、300Bq/bodyの検出限界を超える小児はいませんでした。

多くの福島県住民の内部被曝検査の結果が、土壌汚染レベルをもとにWHOやUNSCEARなどの国際機関が想定する汚染レベルよりも低いことに加え、三春町小児への悉皆(しっかい)検査の結果であることから、「一部の子どもが高いかもしれない」というサンプリングバイアスも排除できることを示しています。

問診の結果では、小児の約60%が日常的に地元産もしくは自家製の米を食べており、20%以上が同様の野菜を食べていることを示していました。いつも申し上げていることですが、いくつかの出荷制限のかかる、未検査の食材を、継続的に摂取すればある程度の内部汚染をする可能性はありますが、そうでない場合は、「地元産の野菜だから内部被曝が増えている」という状況では全くありません。

南相馬市でも同様の悉皆検査を行っていますが、99%程度の小児が参加した検査でも、全く同様の検査結果が出ています。

やはりこういう結果を見ると、ぜひ多くの方に、データを見てどういう状況かを議論して欲しいと感じます。そして、淡々と検査を続けることで信頼性のより高いデータを得て、現状を把握することができるということを知って欲しいです。

今回のような検査が実現したのは、三春町の子どもたち、親御さんたちのご協力があってこそ。三春町の行政スタッフ、ひらた中央病院のスタッフもいつも予約管理やデータ処理などを含め頑張ってくれています。そして、農業関係者や他の様々な業務に従事するみんなで力を合わせたからこそ実現した結果です。

良い表現か分かりませんが、自身で検査を受けることで、自身のことを知ると同時に、その地域がどうなのかについて知り、周りに伝えることができる。そして今後の生活に役立てることができる。皆で協力して得る安心の一つの形だと思います。色々な検査もこんな形でサイクルにのっていくことができればと感じています。



ひらた中央病院では検査後、子どもたちのためにいわゆる「ガチャガチャ」をさせてあげています。Babyscanを受けに来た子どもにも好評のようです。

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